今年も残すところ2ヶ月・・・!
【国際航空のカーボンオフセットを担うCORSIA】
国際航空部門からの二酸化炭素排出量は、世界全体の排出量の2.6%を占めており、この排出量の削減は最優先課題の一つです。
このため、国際民間航空機関(ICAO)は、2016年の総会で、CO2排出量の増加を伴わない国際航空の成長スキーム「CORSIA」を採択し、2021年から88カ国の参加を得て運用を開始しています。
CORSIAでは、①2050年まで年平均2%の燃費効率改善、②2020年以降、温室効果ガスの排出を増加させないこと、というグローバル削減目標を掲げ、実行に向けた以下の4つの対策が進められます。
新技術の導⼊(新型機材等)
運航⽅式の改善
代替燃料の活⽤に向けた取組
経済的⼿法の検討推進
4つめの対策については、具体的にカーボンクレジットを利用したオフセットが行われることになりますが、2021~2035年で累計25億トンものクレジットの需要が試算されました(2019年に試算)。しかも、CORSIA適格となるカーボンクレジットの種類は非常に少なく、2024~2026年の第1フェーズで利用できるクレジットにおいては、現在のところ「ACR(American Carbon Registry)」と「ART(Architecture for REDD+ Transactions)」発行のもののみが適格となっており、VerraやGold Standardのクレジットも「条件付き」という状況です。(将来的には認められる可能性が高いようです)
最近欧州では、「フライトシェイム(飛び恥)」という言葉もあるくらいで、飛行機の利用を控えている方が増えているようです。もちろん無意味な飛行機利用は避けるべきですが、利用した際にKlimaDAOのインフラを利用してデジタルカーボンクレジットで簡単にCO2をオフセットするといったこともできるので、ぜひ出張や旅行の際はご検討下さい。
ReFi プロジェクト紹介🤝
■プロジェクト名:KOKO DAO
■概要:KOKO DAOはコロンビアを拠点とする、森林破壊を減らす活動しているプロジェクトです。コロンビアは国土の半分が植物に覆われている自然豊かな国であるにもかかわらず、毎日500ヘクタール以上の森林が伐採されているとのことです。このような現状から森林を守るために、Gain Forestと提携して森林データを採取して保護する活動を行っています。Gain ForestのdMRVによって森林の定量評価をしていくことで、森林を守ることの大切さを伝えていきます。
またローカルでワークショップなどを開催したり、Twitter(X)でスペースなどでReFi分野の教育活動も行っているようです。これまでプロジェクトは、VCなどから資金調達を行なっておらず、GitcoinのGrantsで獲得した資金で活動しているようです。
彼ら自身がプロジェクトというよりかは、地元のローカルコミュニティ(DAO)として、様々なReFiプロジェクトとコラボしつつ、コロンビアのために活動しているような印象を受けました。我々ReFi Japanをよりアクティブにしたようなイメージです。
2024年Q1には、プラットフォームのアルファ版をローンチし、2箇所目の土地のdMRVも実施するようです。
ReFi ニュース📰
最近のReFiに関するニュースをお届けします。
■ 日立がJ-クレジットのデジタル化に向けて、本格的に実証を開始
日立製作所は、J-クレジットの認証・発行といったプロセスのデジタル化に向けて、11月から本格的に実証を開始します。本実証では、太陽光発電を対象に、日立のサステナブルファイナンスプラットフォームの一部を適用し、IoTセンサーなどを使ったデータ収集から、ブロックチェーンを使ったデータの検証、J-クレジットの認証・発行まで、一連のプロセスのデジタル化に関する効果検証を行います。
なお、「あたらしい経済」さんの取材によると、ブロックチェーン基盤である「グリーン・トラッキング・ ハブ」には、エンタープライズ向けブロックチェーンである「Hyperledger Fabric(ハイパーレジャーファブリック)」が採用されているとのことです。
■ Gitcoin Grants 19が11月15日より開始
Gitcoin Grants 19が11月15~29日の期間で行われることが発表されました。申請の詳細などは近日公開されるようです。なお、GG18について、詳細な結果が公開されました。それによると、合計32 万 8,000 件の寄付があり、 68 万ドルがクラウドファンディングで集められたとのことです。
■ ToucanがPuro.earthとAPI統合による双方向ブリッジの発表
カーボンクレジットのブリッジングプロトコルを提供するToucanが、カーボンクレジット認証機関であるPuro.earthとのAPI統合による、双方向のブリッジのリリースを発表しました。今回はPuro.earthで扱っているバイオ炭クレジットをTCO2の形で提供されることとなります。現在、VerraやGold Standardといった最大手の認証機関がカーボンクレジットのブリッジを中止している中、Puro.earthのようにAPI統合という形でブリッジに協力してくれる認証機関の存在は、今後のReFiの発展に大きく影響しそうです。
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メンバー紹介
■F太郎(KlimaDAO)
Web3でカーボンクレジット市場の課題を解決するKlimaDAOのContributorとして活動。
■ビニール(Fracton Ventures)
Web3 IncubatorであるFracton Ventures所属。レコード好き。
免責事項
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