今日は勤労感謝の日。みなさん毎日お疲れ様です🍵
【ReFi領域を支えるChainlinkの3つの事例】
ReFiには高い整合性、相互運用性、効率性を備えたソリューションが不可欠です。これらのソリューションを支えているのは、ブロックチェーン、スマートコントラクト、オラクルといったWeb3の中核となるインフラです。
今回は、分散型のブロックチェーンオラクルネットワークであるChainlinkが支えている3つの事例について紹介します。
1, 遠隔地へのエネルギー提供を可能にするLiquidstar
発展途上国の農村部では、10人に1人が電気にアクセスできない状況にあります。電力会社がこのような地域に送電網を建設するのはコストがかかるため、現在6億人以上の人々が基本的なエネルギー需要を満たすために液体灯油を使用しています。
そこでLiquidstarは、Web3を利用した新しいカテゴリーのエネルギー流通を開発しています。 このソリューションでは、モジュール式の太陽光発電スマートバッテリーを使用し、それを必要とする遠隔地のコミュニティに配布することができます。分散型プロトコルによるスマートコントラクトとエネルギーシステムを統合することで、シームレスなエネルギーの売買を可能にし、遠隔地のコミュニティに電気を提供します。
2, 先進的な炭素市場を構築するOpen Earth Foundation
カーボンオフセットの取り組みに必要となるのは、質の高いデータを透明性をもって提供し、迅速で堅牢な炭素測定メカニズムです。ブロックチェーンとオラクル技術は、このデータの取得と保存を支援し、最終的にはより安定した、スケーラブルで正確な炭素クレジット市場を創出することができます。
Open Earth Foundationは、先進的な炭素市場を支援するため、これらのWeb3技術を活用して、政策シナリオ、様々な経済変数、エネルギー予測、その他の炭素の社会的コストを考慮した炭素価格設定メカニズムを構築しています。
3, 農家を保護するArbolのパラメトリック作物保険
干ばつ、洪水、猛暑は、先進国市場よりも発展途上国市場の農家にはるかに大きな影響を与えます。新興国における従来の農作物保険は、引受、販売、保険金請求処理に非効率的でコストがかかるため、彼らの生活に対するリスクはさらに大きくなっています。
Arbolは、スマートコントラクトとChainlink Networkを通じた気候データを活用することで、自給自足農家に対して、作物に被害を与える異常気象に対する保険を提供することができるようになりました。これは、透明性のある方法でオンチェーンに配信される高品質の気象データを使用して、気候イベントが発生したときに農家への自動支払いをトリガーすることによって可能になります。
※Arbolの紹介はReFiニュースレター#4でも紹介しているのでご覧下さい。
以上が事例紹介となります。今回の記事は、Chainlinkのブログ記事「3 Ways in Which Web3 Is Advancing Sustainability Initiatives」を参考に作成しました。原文もぜひご確認下さい。
ReFi プロジェクト紹介🤝
■プロジェクト名:DOVU
■概要:DOVUは、トークン化されたボランタリークレジット(※民間主導のカーボンクレジットのこと)を取引できるマーケットプレイスなどを提供するプロジェクトです。DOVUは、カーボンオフセット市場において、信頼できるレイヤーを構築することを目標に掲げており、そのためのソリューションとして、「CARBON MARKETPLACE」「CARBON CALCULATOR」などを提供しています。
CARBON MARKETPLACE
DOVUが提携している個人農家などのパートナーファームで測定されたカーボンクレジットを取引することが可能です。パートナーファームは、自らDOVUに登録して、検証を受けることになります。実際に農地を検証するのは第三者の検証者となるようです。オフセットしたい企業はこちらのマーケットプレイスで、取引を簡潔に実行することができます。取引の記録自体はHedera Hashgraph上に記録されており、透明性と信頼性を獲得することができます。また、独自トークン $DOVU を保有していると、マケプレでの取引の際に手数料の割引などを受けることができます。
CARBON CALCULATOR
メタマスクを繋ぐことで、Ethereum上でこれまで行ったトランザクションなどをもとに排出したCO2量などを測定することができるツールです。個人が実際にどれだけのCO2を排出しているかの問題を可視化することができるため、問題提起にもなります。個人がCO2排出問題意識を持ち、オフセットを促進します。
DOVUトークン自体はすでにローンチ済みで、Ethereum, BSC Chain, Polygon上で取引することが可能です。また公式にLiquidity Pool(Uniswap)に対してインセンティブ報酬を期間限定で付与していたりします。
ReFi ニュース📰
最近のReFiに関するニュースをお届けします。
■ Regen NetworkによるCosmos ZEROが始動
Regen Networkが、Cosmosをカーボン ニュートラルなブロックチェーンエコシステムにするCosmos ZEROに参加したことを発表しました。
Regen NetworkとInterchain Foundationが主導するCosmos プロトコルとバリデーターは、二酸化炭素排出量について説明責任を負い、ネットワークバリデーターノードのインフラストラクチャと運用で正味ゼロの二酸化炭素排出量を達成することが求められます。
■ Thalloが次世代の炭素クレジット取引所のために250万ドルを調達
気候変動テクノロジーとWeb3の新興企業であるThalloが、シードラウンドで250万ドル以上を調達したことを発表。これによりThalloは炭素取引所の開発とマーケティングを継続的に加速させることが可能に。Thalloは、ボランタリーカーボン市場に影響を与える主要な問題点を解決するために、Web3技術を使用したマーケットプレイスを提供しています。
出資者にはRippleも含まれており、Rippleと技術提携を結んだことも発表しています。
■ 世界最大の炭素クレジットプログラム運営「Verra」が、森林炭素のデジタル計測を試験的に実施
世界最大の温室効果ガス (GHG) クレジット プログラムを運営するVerraと大手気候技術企業Pachamaは、リモート センシングを利用して森林炭素を測定するデジタル測定、報告、検証 (DMRV) プラットフォームを試験運用します。この試験運用は、森林炭素プロジェクトの効率性、透明性、完全性を高めるための世界的な取り組みにおける重要なマイルストーンとなります。
Verraと言えば、今年の5月25日に、ToucanによるリタイアしたVerraクレジットのトークンへの変換禁止を発表し、話題となりました。その理由は、発行されたトークンの多くが低品質で長期休眠中のプロジェクトに付けられたもので、実際に環境を改善するものではなかったと判断されたからです。ただし、これはVerraが将来にわたってクレジットのトークン化を禁止したわけでなく、市場参加者が求める透明性と追跡可能性を備えたトークン化の可能性を探っていくこととしています。
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メンバー紹介
■F太郎(Nori)
ReFiプロジェクトであるNori所属。ペンギン好き。
■ビニール(Fracton Ventures)
Web3 IncubatorであるFracton Ventures所属。レコード好き。
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