【カーボンクレジットの現状と未来】
ReFi分野の中でもメインに取り扱われているカーボンクレジットですが、最近はグリーンウォッシュに繋がりかねないと、批判を浴びることが多くなっています。
グリーンウォッシュとは、先週のニュースレターの「GitcoinとShellのパートナーシップ」でも取り上げましたが、要は見せかけの環境対策のことです。
カーボンクレジットは、自社の温暖化ガスの排出量相殺のために利用されますが、米国ではデルタ航空やダノンが、カーボンクレジットを用いたカーボンニュートラルという宣伝に対して、虚偽で誤解を招くとして、訴訟問題まで発展しています。
また、欧州でもグリーンウォッシュに対する規制は厳しくなってきており、英国ではオフセットでのカーボンニュートラルをアピールする広告の取り締まりが開始されます。
このように、カーボンクレジットに逆風が吹いているように見えますが、一方で大手国際金融のBarclaysが先日発表したレポートでは、カーボンクレジット市場(Voluntary Carbon Market)は2050年までに最大1兆5000億ドルに達する可能性があると推定しています(ちなみに、現在の暗号資産全体の時価総額は1兆1000億ドルくらいです)
またカーボンクレジット市場の信頼性を高める動きとして、Voluntary Carbon Market Integrity Initiative(VCMI)は、企業がカーボンクレジットを利用し、信頼できる気候変動に関する主張を行うための、ガイドラインを発表しています。
カーボンクレジットは、気候変動の緩和、途上国への資金供給の観点などから、確実に必要な仕組みと考えられるため、ReFiにおいて、いかに現状の課題を解決して、さらにカーボンクレジット市場の信頼性を高められるかが、今後のポイントとなりそうです。
ReFi プロジェクト紹介🤝
■プロジェクト名:Weather XM
■概要:Weather XMは分散型気象観測ネットワークを目指しているプロジェクトです。ReFiとは直接的に関わってくるプロジェクトではないですが、気象データは農業や森林保全において、重要なデータになり間接的に関わってくるので紹介します。ちなみにこのような物理デバイスのセンサーなどを用いてるプロジェクトをDePINとカテゴライズします。(以前紹介したPlanetWatchも含まれます)
上図のような気象観測ステーションを個人宅などに設定してもらい、分散的に多くの気象データを収集しようとしています。ステーションから気象データをプラットフォームにアップすることのインセンティブとして、独自トークン $WXM を付与します現状ステーションごとに月131 $WXM 獲得できるとのことになっていますが、これらのトークンは現在取引されていないので価格がついております。正式なトークンローンチはQ4を予定しているようです。こちらのステーションは現在$400で販売されていますが、日本での使用の際には技適などの規制問題があるのでご注意ください。
なお、日本では奈良県で一台稼働しているようで、世界には7,795台稼働しているようです。
ReFi ニュース📰
最近のReFiに関するニュースをお届けします。
■ Gitcoin Grants 18が終了、多額の寄付が集まる
昨日、Gitcoin Grants 18が終了し、Gitcoinから結果報告がありました。
今回は総額679,131ドル、件数として328,627件、参加者は47,499人となり、過去最大のラウンドとなったそうです。ReFi Japanも参加しており、なんと137名の方からご支援をいただきました。本当にありがとうございました!ReFiを日本、世界で普及させ、気候変動や社会課題の解決に繋がるプロジェクトを支援していきますので、引き続きよろしくお願いします。
日本からも、たくさんのプロジェクトが参加しており、非常に盛り上がった回だったと思います。暗号資産市場は冬の時代と言われておりますが、この勢いで、ReFiや市場全体を盛り上がるとうれしいです。
■ Open Forest Protocolがカーボンクレジット市場とweb3の入門書発表
森林カーボンクレジットのオープンで分散的なMRVに取り組むOpen Forest Protocol (OFP)が、「a primer on the intersection of carbon credit markets and web3(カーボンクレジット市場とweb3の入門書)」というタイトルのドキュメントを発表しました。このドキュメントでは、ブロックチェーンの持続可能な気候における役割や、カーボンマーケットのダイナミクス、本分野をリードしているweb3企業について書かれています。
■ GoodDollarがロードマップを発表
暗号資産でのユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)の実現を目指しているGoodDollarが、新たなロードマップを発表しました。
GoodDollarはDeFiを活用し、インターネットに接続可能なデバイスを持つすべての人に、持続的に資金を供給し、世界中に配布するコミュニティ駆動型フレームワークを構築しています。
今回のロードマップでは、以下の目標を掲げました:
現実の人々のために$G(GoodDollarが開発する暗号資産)の実用性を拡大する
会員とコミュニティのアイデンティティに基づいてセグメント化されたUBI機能のフレームワークを可能にする
サポートプロセスを簡素化し、GoodDollarの主要コミュニティと会員セグメントをサポートしやすくする
GoodDAOに権限を与えることで、開発および現地の能力を拡大する
UBIプロジェクトとして、impactMarketやWorldcoinなどがありますが、それぞれがどのような形でUBIを実現していくのか今後も注目していきます。
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メンバー紹介
■F太郎(KlimaDAO)
カーボンクレジット市場の課題を解決するKlimaDAOのContributorとして活動。
■ビニール(Fracton Ventures)
Web3 IncubatorであるFracton Ventures所属。レコード好き。
免責事項
当ニュースレターの目的は、暗号資産やトークンの購入や売却などを勧誘するものではありません。掲載されている情報は、誤りがある可能性があります。当ニュースレターのご利用により、被害・損害などが発生したとしても、ReFi Japanは一切責任を負うものではないことをあらかじめご了承ください。また、当ニュースレターは閲覧及び情報収集のみの目的にてご利用いただき、無断複製や転載などは行われないようにお願いいたします。