今後も引き続きよろしくお願いします。
【公共財とは】
ReFi分野を調べていると「Public Goods (パブリックグッズ)」という単語をよく見かけることがあると思います。日本語では「公共財」と言われ、経済学の用語であり、非競合性あるいは非排除性の少なくとも一方を有する財として定義されています。
非競合性: 非競争性とは、ある個人が公共財を消費することによって、他の個人が消費できる量が減少しないことを意味する。言い換えれば、ある人が公共財を利用しても、他の人が利用できる量や質が減少することはない。
非排除性: 非排除性とは、いったん公共財が提供されれば、その提供に貢献したか否かにかかわらず、誰もが利用し享受できることを意味する。つまり、誰もがその財の恩恵を受けることを妨げることは困難か不可能。
資本主義経済において、お互いが利益を目指して行動するため、地球にとって重要である自然資源の調整が難しくなり、その結果、生物多様性の損失や、気候変動の問題が大きくなってきています。つまり、ReFiにおいて、自然資源の調整など、地球の再生につながる公共財を開発することが重要なミッションの一つとなります。
その公共財に焦点を当てたブロックチェーンとして「Public Goods Network(PGN)」が開発されており、7/25にメインネットがローンチしました。
PGNはGitcoinと同じチームによって開発されている、低コストのL2 OPチェーンです。最大の特徴は、開発者がPGN上でDAppsを構築し使用されると、それを構築する組織またはアライアンスに収益が発生します。つまり、PGNを使用するだけで、公共財や公共財プロジェクトを支援できることになります。
公共財という観点でプロダクトの開発を検討している方は、ぜひPGNもチェーンの候補として考えてみてはいかがでしょうか。公共財については、こちらのKlimaDAOの地球のためのパブリック・グッズ(公共財)という記事もご参考下さい。
ReFi プロジェクト紹介🤝
■プロジェクト名:Sunrise Stake
■概要:Sunrise StakeはSolanaチェーンでのReFiプロジェクトです。仕組みはとてもシンプルで、流動性ステーキング(Liquid Staking)プロジェクトです。具体的には、ユーザーは$SOLを預けると引換券として$gSOL(Green Solana)を受け取ります。預けられた$SOLはステーキングに回されて、ステーキング報酬を獲得します。そして獲得したステーキング報酬は、Sunriseによってカーボンオフセット関係のプロジェクトや気候変動対策プロジェクトに資金提供されます。本来であればステーキング報酬は$SOLを預けたユーザーに還元されるのですが、Sunrise Stakeの場合はユーザーではなく気候変動対策プロジェクトに分配されるため、一種の寄付という形としても捉えることができます。ただトークンをウォレットに保管しているだけなのであれば、Sunriseなどに預けみるのもいいかもしれません。
なお、多くの流動性ステーキングプロジェクトでは預けたトークンを引き出すのに数日かかりますが、Sunriseでは即時での引き出しが可能です。そして$gSOLが他のDeFiプロトコルなどで広く使われるようになれば、ユーザーは寄付をしつつ他DeFiプロトコルで金利を得てくるという資金運用も可能になってきます。まだ612SOLほどしかステークされていないですが、今後のユースケースの拡大に期待です。雑感ですが、Solana上のReFiも少しずつ増えてきたように思います。
ReFi ニュース📰
最近のReFiに関するニュースをお届けします。
■ Google Cloud が Celo ネットワーク上でバリデータを実行
Celo Foundation は、Google Cloud が Celo ネットワーク上でバリデータを実行し、ネットワーク全体のセキュリティの強化に貢献していると発表しました。
Google Cloudは、Celo Foundation のファウンダー プログラムにガイダンスを提供しており、イベントを共同主催することに加えて、web3 アプリケーションを構築および拡張するためのクラウド インフラストラクチャを備えた Celo エコシステム内のサステナビリティに重点を置いたスタートアップをサポートしています。 また、web3 の持続可能性とイノベーションのためのワークショップを開催し、 Celo ブロックチェーンの中心的貢献者であるcLabsの長年にわたるクラウド プロバイダーでもあります。
■ Solid WorldがLiquid Summerキャンペーンを開始
ブロックチェーンを活用したカーボンクレジットの売買プラットフォームであるSolid Worldが、早期流動性提供者に高い利回りを提供するキャンペーンを開始しました。
CRISP-Mトークンを流動性としてSolid Worldのプラットフォームに提供することでキャンペーンに参加することができます。CRISP-Mトークンは、大手認証機関であるVerraによって認証された「マングローブ再生プロジェクト」によるカーボンクレジットに裏付けされたトークンです。
Solid World は、クラウドソーシングのカウンターパーティとして機能する新しいクラスの「流動性プロバイダー」をこの市場に導入し、時間を超えて買い手と売り手を結びつけることを奨励しています。その結果、炭素プロジェクトと販売業者にとって双方にとって有利なソリューションが実現し、資本、魅力的な価格、リアルタイムの流動性、豊富な詳細な公開文書へのアクセスが向上します。
■ Regen Houseイベントレポート公開
6/29に京都で実施されたIVS2023のサイドイベント 「Regen House」のイベントレポートが、HEDGE GUIDEで公開されました(寄稿者:ビニール)。ぜひ、ご一読下さい。
Regen Houseには学生、Web3事業者、サスティナブル経済に興味のある方など多種多様な参加者が集い、とても温かい空間でした。また機会を見つけて、開催できればと考えています。
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メンバー紹介
■F太郎(KlimaDAO)
カーボンクレジット市場の課題を解決するKlimaDAOのContributorとして活動。
■ビニール(Fracton Ventures)
Web3 IncubatorであるFracton Ventures所属。レコード好き。
免責事項
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