本当にショックな出来事が起こった1週間でした。一刻も早く真相が明らかになることを望みます。
【ReFiの3本柱】
今回はToucanのHead of Growthを務めるJohn Ellison氏が書いた「What is ReFi? Part I — A tour through the climate crypto rabbit hole」で紹介されているReFiの3本柱について紹介します。
日本語翻訳記事(by Fracton Ventures):
「ReFiとは?パート1 ー気候変動に関するクリプトの未知の世界を巡る旅」
John氏によるとReFiの3本柱は次のように定義されています。
気候の安定化
生態系の回復
社会正義の確立
気候の安定化
主に温室効果ガスの削減が課題としてあげられます。カーボンクレジットや炭素税を導入することにより、企業が二酸化炭素を削減・除去の努力をすることとなり、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの削減が実現します。やはり私が子供の頃に比べると地球の温暖化は進んでおり、夏場の猛暑による人的被害も増えているように感じます。生態系の安定化
地球環境の悪化によって、個体数が劇的に減少してしまっている野生動物など生態系を守る必要があります。我々人類は文明の発展の代償に、多くの野生動物の生態系を破壊してしまったという事実があります。そのようなことが二度と起きないように、生物多様性を尊重し、保護していく必要があります。社会正義の確立
ReFiによってこれまでフォーカスを当てられることのなかった地域社会に根ざした再生活動が可能になりました。寄付金などの利用用途などが不透明であったりしたことも、ブロックチェーンを利用することで透明性を獲得することで解決されます。また、これまでこれらの寄付金などの使用用途については、地域社会において、自分達で決定していくことも可能になるでしょう。ReFiによって、地域社会の住民が自己主権的に活動することが促進されますし、これまで巻き込むことができていなかった私のような個人がそのような活動に参加することも可能です。
なお、ReFiの3本柱の定義については様々であり、今回紹介したのはあくまでもJohn氏の定義であることをご留意ください。
ReFi プロジェクト紹介🤝
■プロジェクト名:Nori
■概要:Noriは、リジェネラティブ農業(環境再生型農業)により大気中の二酸化炭素除去に取り組む農家と、カーボンオフセットを希望する企業や個人とを、ブロックチェーン技術を利用してつなげるマーケットプレイスを運営するプロジェクトです。
具体的には、Noriは基準をクリアした農家へNRT (Nori Carbon Removal Tonne) という「10年間にわたって二酸化炭素を1トン分除去できる」ことを1単位としたクレジットをNFTとして発行します。そしてカーボンオフセットしたい企業や個人はNORIという独自の暗号資産を対価にNRTを購入することができます。購入価格は常に1 NORIに対して、1 NRTと設定されているため、1トンのカーボンクレジットの価格が市場によって決められることとなります。
NRTは売れた時点でBurn(償却)されるため、同一のNRTの売買は起きず、二次流通におけるカーボンクレジットのダブルカウント問題が解消されます。
Noriがこのようなデュアルトークンモデルを採用している理由は大きく二つあり、一つはカーボンクレジットの流動性を高めることです。仮にNRTのみがマーケットで売買される場合、サプライヤー(炭素除去を行いクレジットを発行する農家)は炭素の売買価格を気にして、価格が低い時は売るのを控える可能性があります。そうなるとNRTが市場に出回らず、流動性が低くなり、バイヤー(カーボンクレジットの買い手)によるクレジットの購入・リタイアが進まないことになります。そこで、NORIトークンが存在することで、サプライヤーはNRTを売却後も、NORIとして保有し、好きなタイミングで売却することが可能となります。
もう一つの理由は、バイヤーとサプライヤーの権利を保証する「Nori Warranty (Nori 保証)」のためです。バイヤーはオフセットが何らかの原因で炭素が放出され、カーボンロス(実際は炭素除去できていない)となる可能性を恐れます。そこで、通常はバッファープール(カーボンロスに備えたクレジットの貯え)等による保証が提供されるのですが、バッファープールはサプライヤーの収益を差し引いてクレジットを確保する必要があるため、サプライヤーにとっては税金のようなものとなります。またバッファープールが常に十分であるとは限らないため、バイヤーのオフセットを完全に保証するものではありません。
そこで、Noriが提供するNori 保証では、サプライヤーの収益向上と、バイヤーへの確実な炭素除去を提供する仕組みがあります。
サプライヤーが NoriのマーケットプレイスでNRTを販売する場合、Noriは支払いの 25%を制限します。この制限された支払いはNORIトークンで支払われ、Noriが炭素除去を保証する10年間にわたって直線的に付与されます。
もし、カーボンロスが発生した場合、制限されたNORIをクローバック(払い戻し)し、そのNORIで新しいNRTを購入し、元のバイヤーに提供します。また、この払い戻しが十分でない場合は、Noriの保険準備金から支払われます (NORI トークンの総供給量の20%)。
以上のようなトークンモデルにより、カーボンクレジットの流動性を高め、またバイヤーとサプライヤーの権利の保障に取り組んでいます。
もっとNoriについて詳しく知りたい方は、ぜひ以下の動画をご覧ください。Noriのことだけでなく、気候変動を解決する方法やカーボンオフセットを取り巻く状況などについても解説されています。
トークンローンチや最新情報については、TwitterまたはDiscordをご確認下さい。
ReFi ニュース📰
最近のReFiに関するニュースをお届けします。
■FlowcarbonとTHE HBAR FOUNDATIONがパートナーシップ締結
FlowcarbonがHederaエコシステムを牽引しているHBAR Foundationとのパートナーシップを締結したことを発表しました。具体的にはSustainable Impact Fund (SIF)を通じて協力するとともに、Hederaが構築している独自のオープンソースのGuardianを利用してdMRV機能を提供していくとのことです。Guardianは、Inter Work Alliance(IWA)のVoluntary Ecological Markets(VEM)標準を初めて実装したトークン発行プラットフォームとのことで、オンチェーンでトークン化されたカーボンクレジットやグリーン電力証書 (REC) などのアセットを、詳細な dMRV データに関連付けることを可能するようです。
※Sustainable Impact Fund (SIF):カーボンオフセットなど持続可能な開発に焦点を当てたプロジェクトを対象にした$100M規模のファンド。2022年3月に設立が発表され、DOVUが最初の助成金を受領しています。
■Arbol Marketがリブランディング
将来の気候変動リスクなどを提供している「Arbol Market」がロゴ及びWebサイトなどを刷新して、リブランディングを実施しました。現在の主なソリューションは「農業」「エネルギー」の2分野に絞っており、これらの分野に対しての保険、再保険、デリバティブ、リスク評価アドバイスなどを提供しているようです。特に農業分野においては、地域特有の干ばつ、強風、高温などの気候リスクにさらされているため、パラメトリック保険が求められているようです。また、Founder/CEOのSid Jha氏はdClimateのCo-Founderでもあるようです。
※パラメトリック保険:事前に設定された一定条件を満たした場合に、申請せずとも自動的に支払われるタイプの保険
■ShambaがChainlink Oracleの技術を統合
Shambaは、生態系データをオンチェーンで提供し、それらのデータを利用することで金融包摂を推進する分散型MRV(DMRV)ネットワークです。今回の発表で、Arbitrum, Avalanche, Ethereum, Optimism, PolygonのそれぞれのチェーンにChainLinkのオラクルを総合したことを発表しました。このオラクルを利用することによって、NASA(米国航空宇宙局)、NOAA(米国海洋大気庁)、ESA(欧州宇宙機関)、JAXA(宇宙航空研究開発機構)などからの衛星データをチェーン上で利用することが可能になります。
このことにより、パラメトリック農作物保険や家畜保険は、これらのデータを利用して提供されるdappsの一例となります。最終的には、気候変動リスクから農業や牧畜を保護し、アフリカ全域の気候変動への耐性を促進することを目指しているようです。
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メンバー紹介
■F太郎(Nori)
ReFiプロジェクトであるNori所属。ペンギン好き。
■ビニール(Fracton Ventures)
Web3 IncubatorであるFracton Ventures所属。レコード好き。
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