5月22日は国際生物多様性の日でした🦋🐟
【生物多様性とカーボンクレジットの関係】
19世紀の産業革命以降、人間の活動によって、地球規模で生物多様性が著しく低下しており、国際自然保護連合は、現在42,100種が絶滅の危機に瀕していると推定しています。
主な原因の一つに温室効果ガス(GHG)排出量の増加により、全ての種がすぐに適応できるレベルを超えて気温が上昇していることが挙げられます。
生物多様性のある生態系は、人間を含む すべての生物種にとって、生存していく上で不可欠であり、回復させることが重要な課題です。その解決策の一つが、ボランタリーカーボンマーケットだと考えられています。
カーボンクレジットは、従来、人間活動による温室効果ガスの排出を相殺し、排出量ギャップを埋めるために使用されてきました。しかし、カーボンクレジットは、カーボンプロジェクトの活動を通じて、時には直接、時には間接的に、生物多様性に良い影響を与えることがあります。例えば、以下のようなことです:
森林再生プロジェクトは、過去に破壊された生息地を回復し(あるいは全く新しい生息地を作り)ます。また、炭素を吸収することで、長期的に地球の気温を下げることができます。
再生可能エネルギープロジェクトは 、化石燃料を燃やして作るエネルギーを代替することで、大気汚染や水質汚染を減らし、その結果、一度破壊された生息地にさまざまな生物が戻ってくることを可能にします。
もちろん、すべてのカーボンクレジットが生物多様性に直接貢献するわけではありませんが、今後は生物多様性の回復に繋がるカーボンクレジットがますます増えていくことが予想されます。
より詳しく知りたい方は、ぜひデジタルカーボンのユニバーサルマーケットプレイスであるCarbonmarkから出された記事(翻訳)をご覧ください。
ReFi プロジェクト紹介🤝
■プロジェクト名:Glo
■概要:Gloは非営利組織であるGlo Foundationによって運営されている貧困国に対してベーシックインカムを提供することを目指しているプロジェクトです。ベーシックインカムを生み出す仕組みは簡単で、下記のような流れになります。
ユーザーは1000ドルを送金
Gloは1000ドルを受取り、1000 $Gloを発行してユーザーに送金
Gloは集まったドルをリザーブに保管
リザーブの一部を米国債(3-month T-bills、年間利回り2.7%)に投資する
利回りで得た収益をベーシックインカムとして提供
Gloはリザーブによって支えらえているドルペッグのステーブルコインとなり、いつでもGlo→ドルへの交換も可能になるようです。このユーザーが預けたドルを使って投資利益を出して、利益をユーザーではなく貧困国の方々に提供する仕組みです。米国債(3-month T-bills)の場合の想定の年間利回りが2.7%なので、$1000預けると$27のベーシックインカムを生み出せることになります。生み出された利益は実績のあるNGOであるGiveDirectlyを通して、実際に届けられるようです。GiveDirectlyは2009年以来$550Mの資金を提供した実績があり、実際には$1の寄付に対して$0.89を提供しているようです。
まだアルファ版では規制の問題に直面しており、米国債に投資できておらず利回りを獲得できていませんが、early adopterの受付を実施しています。この活動に興味や関心がある方は申請してみてもいいかもしれません。
ReFi ニュース📰
最近のReFiに関するニュースをお届けします。
■ EYがESGに特化した炭素会計チェーン立ち上げ
様々なデジタルサービスを提供するEYが、ESG に特化した炭素会計チェーン「EY OpsChain ESG」を立ち上げました。パブリックで分散型の技術を用いて、バリューチェーン全体にわたる排出の透明性を強化し、組織が環境への取り組みを推進します。
特徴として、製品のCO2排出量がブロックチェーン上でトークン化されることで、バリューチェーンを通じて追跡できることが挙げられます。そして主要な排出量データの検証機関やバリデーターとの統合により、より信頼性の高いレビューが可能とのことです。
■ $50Mのクロスチェーンエコシステム基金発足
Borderless Capital は、次世代の Web3 アプリケーションを搭載するために 5,000 万ドルの基金を立ち上げました。これは、単一のチェーンやアプリケーションを超えた取り組みとなり、Wormholeのクロスチェーン メッセージング プロトコルを活用した、複数のエコシステムにまたがる最先端のアプリ、インフラストラクチャ、ツールに関わるビルダー、創設者、開発者が応募可能です。
CeloやPolygonなど、多くのReFiプロジェクトが開発されているチェーンも本基金を支援しているので、ReFi開発者はぜひ詳細をご確認下さい。
■ Coorestのトークン販売とホワイトリストに関する発表
衛星モニタリングとChainlinkのオラクルサービスによって、ブロックチェーンネイティブなカーボンクレジットを発行するCoorest(ReFiニュースレター#27でご紹介)のトークン販売とホワイトリストに関する詳細が発表されました。
今回販売されるトークンはCoorestのガバナンストークン $CRST で、Ethereumネットワーク上に展開されるユーティリティトークンにもなり、Coorestプラットフォームでの投票とステーキングに分散型方式で使用される予定です。CRSTトークンはPolygonにブリッジされ、他のL1 EVM互換チェーンにブリッジ可能です。
セールは5/31から始まり複数のラウンドに分かれています。割引価格で購入が可能なホワイトリストキャンペーンなども行っているようですので、興味のある方は詳細をご確認下さい。
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メンバー紹介
■F太郎(KlimaDAO)
カーボンクレジット市場の課題を解決するKlimaDAOのContributorとして活動。
■ビニール(Fracton Ventures)
Web3 IncubatorであるFracton Ventures所属。レコード好き。
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