連休中はゆっくりとお休みできると良いですね🍵
【自動車業界の重要課題を協調的に解決するグローバルデータ交換ネットワーク「Catena-X」】
ReFiとは少し離れてしまうかもしれませんが、CO2排出量を特に気にしなくてはいけない業界である自動車業界で「Catena-X」という取組みが動き始めたので紹介致します。Catena-Xとはドイツの自動車業界を中心に設立された自動車メーカーなどによるアライアンスで、自動車業界のバリューチェーン全体のデータを流通させる自律分散型のデータプラットフォームの構築を目指しています。特にブロックチェーンを使うなどは明記されてはないものの、コンセプトデザインなどにはチェーン(鎖)が多用されており、もしかしたらブロックチェーンを将来的に使うのではないかと邪推してしまいます。なお、Catena-Xのデータプラットフォームは4月より稼働開始しているようです。
このデータプラットフォームにより、それぞれの企業がどこから素材や部品を調達しているか透明性を持つことができるとともに、互いにESGの観点でモニタリングすることが可能になります。電気自動車のバッテリーの場合だと、原材料のリチウムはどこで採掘がされているのかなどを把握でき、将来的にはどのような労働者が採掘を行っているのか、工場への輸送手段による環境負荷なども可視化できるようになるのではないかと思います。

また、今後Catena-Xに参加している企業と取引するためには、自社もCatena-Xに参加しないといけないなどの制約が発生する可能性もあり、裏を返せばCatena-Xに参画することで自動車業界のESGにコミットしていることを表明することになるかもしれません。日本からはNTTコミュニケーションズ、富士通などが参画しており、NTTコミュニケーションズによる国内向けのソリューションのβ版の提供も始まっているようです。
ReFi プロジェクト紹介🤝
■プロジェクト名:Coorest
■概要:Coorestは、衛星モニタリングとChainlinkのオラクルサービスによって、ブロックチェーンネイティブなカーボンクレジットである$CCO2トークンを発行しています。
$CCO2トークンは「Coorest Carbon Standard」という認証基準が採用されており、国連認定のCarbon Auditor (炭素監査人) であるEarthoodによって認定されています。そして、Earthood は、Coorest Carbon Standard を正当な炭素補償(オフセット)方法として正式に認めているため、他のブロックチェーンネイティブのカーボンクレジットよりも一歩先に進んでいると考えられます。
また、ユニークな点として、カーボン吸収プロジェクトである農業や森林プロジェクトの土地がCoorestによって「NFTree」という名称のNFTとなる点です。プロジェクトオーナーはプロジェクトの権利をNFTとして売却することも可能です。
そして、トークンが補償に使用される場合、関連するすべての補償データを含むProof of Carbon補償証明書(PoCC Certificate)に変換され、ブロックチェーン上に補償の履歴が残ることとなります。
衛星モニタリングにはFloodlightというサービスが使われており、Coorestに関連するすべてのカーボン吸収プロジェクトの樹木を監視しています。
Floodlight によって収集された情報は、Chainlinkネットワーク経由で Coorestのスマートコントラクトに送信されます。この手順は毎月行われ、樹木が存在し、カーボンを吸収し続けていることを確認します。
ReFi ニュース📰
最近のReFiに関するニュースをお届けします。
■ KlimaDAOがDecentralization Working Groupを設立
KlimaDAOが、適切な透明性と説明責任メカニズムを備えたDAOとしてさらに成長するために、DAO の分散化ロードマップの研究および開発を目的とした「Decentralization Working Group(DWG)」を設立しました。
そして、DWGは中間報告として「RFC: Decentralization Working Group Interim Report」が発表され、その中で、DWGの中間報告書の最終草案のリンクも掲載されています。
中間報告書では、現状の組織評価から始まり、DAOの設計原則、透明性・説明責任・ガバナンスといった観点からの推奨事項など、多岐にわたり分析がされており、DAOについて深く知りたい方にもおすすめの内容となります。
筆者(F太郎)の個人的な話にもなりますが、4月の後半より、KlimaDAOのContributorとして活動を開始したため、まさにホットな話題となります。今後DWGの情報も含め、KlimaDAOの情報を日本語Twitterでも発信していきますので、ぜひフォローしていただけると幸いです。
■ 全日空(ANA)がG7に合わせてCO2実質ゼロ運航を実施

全日空(ANA)は、広島でのG7サミットの開催に合わせて、5月中の広島空港に発着する便のCO2排出量を実質ゼロにする取組みを発表しました。この取り組みはANAとINPEX、出光との共同での取組みとなり、カーボンクレジット(排出枠)を調達することで、カーボンニュートラル化を行うようです。
【カーボンニュートラルジェット燃料の供給の流れ】
(全日空のプレスリリースより引用)
INPEXがアラブ首長国連邦アブダビ首長国で生産する自社権益マーバン原油を出荷
出光興産がマーバン原油を調達し、自社製油所にてジェット燃料を精製
INPEXおよび出光興産がカーボンクレジットの調達を行い、ジェット燃料のサプライチェーン全体で排出されるCO2全量をゼロ化。出光興産はカーボンニュートラル化されたジェット燃料をANAに供給
ANAがカーボンニュートラルフライトを実現
■ Solanaでリアルタイム排出量測定ツール「Solana Climate」の発表
Solana FoundationがTrycarbonaraと共同で「Solana Climate」というSolanaブロックチェーンでのCO2排出量測定ツールを4/21に公開しました。それぞれのノードにソフトウェアとして組み込むことによって、その他のブロックチェーンの類似ツールに比べて、各ノードに組み込むことで正確かつ、ノードの地理的情報も反映することが可能になっています。
今後の展開としては、Solana上のカーボンクレジット系のプロジェクトと連携していくことや、ウォレットアドレスごとのカーボンフットプリントの追跡などのアイディアを調査しているようです。
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メンバー紹介
■F太郎(Nori)
カーボンクレジット市場の課題を解決するKlimaDAOのContributorとして活動。
■ビニール(Fracton Ventures)
Web3 IncubatorであるFracton Ventures所属。レコード好き。
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