この度、日本でより多くの方にReFiについて知っていただきたいと思い、「ReFi Japan」を立ち上げました🌳
ReFi Japan設立に寄せて
F太郎:
地球温暖化や生物多様性の損失、貧困問題など、現在地球は多くの問題を抱えています。このような問題に対して、普段から意識することは難しく、また個人の力で解決に向けて取り組むのは至難の業です。しかし、「ReFi」には、web3が掲げる「インターネットの民主化」と同様、地球の環境問題を一人一人が自然と無理なく力を合わせることで解決していける可能性があります。ReFi Japanではビニールさんと共に、毎週ReFiに関するニュースをわかりやすくお伝えしていく予定です。ぜひ、ReFi JapanのTwitterアカウントのフォロー、そしてニュースレターの登録をよろしくお願いします。ご意見・ご要望はいつでも大歓迎ですので、ぜひ皆さんのお力をお借りして、ReFiを日本で広めていければと思います。
ビニール:
2017年頃より、いわゆる仮想通貨を触ってきてDeFi, NFTといったブームを過ごしてきました。しかし、自分自身そういったブームの中で結局クリプト長者の中だけでお金が回っており、社会や世間に対して還元できてないのではないかと感じておりました。もちろん自分もこのブームのおかげで、余剰資金が増えたのは事実なので、感謝しています。その中で、web3という言葉がバズワードになり、社会に大きな影響を持ち始め、そして「ReFi」に出会いました。長期的にweb3と社会が交差するのは「ReFi」だと感じ、何かしらの形で個人的にもコミットしたいと考えていたところ、F太郎さんにお声がけを頂き、共同でReFi Japanを立ち上げさせて頂きました。温かく見守って頂ければ幸いです。
ReFi とは?
ReFiとは「Regenerative finance」の略称で、日本語にすると「再生金融」、また発音は「リィファイ」となります。
ReFiを一言で表すと、「地球を癒すお金の再設計」です🌎
現在、日本の多くの企業が掲げる「SDGs」は持続していくことを目的としていますが、ReFiは地球を癒す(再生)することを目的としているので、一歩先を見据えています。
現在、地球は、気候変動、生物多様性の損失、社会的不平等、といった様々な問題を抱えています。これらは人類が発展する中で副産物として生まれ、徐々に地球は蝕まれていきました。人類がそのことに気づき始めた時には既に遅く、社会構造や経済システム上、これらの問題は手が付けられない状況となっていました。
そこで、その構造・システムを再設計するために、web3テクノロジー(ブロックチェーン、スマートコントラクト、DAO等)を利用して、地球が抱えている問題の解決に向けて取り組むムーブメントが生まれました。それがReFiと呼ばれている領域です。
なぜweb3なのかというと、web3の基幹を支えるブロックチェーンを利用することで、社会や経済の透明性、流動性、スケーラビリティを高めることが可能となるからです。
具体的なReFiの活動
ReFiとは具体的にどのような活動なのでしょうか。
現在ReFiで最も活発な分野として、気候変動対策分野における、ブロックチェーン技術を用いたカーボンクレジットのトークン化が挙げられます。
カーボンクレジットとは、削減した温室効果ガスをクレジット(排出権)として発行し、他の企業などとの間で取引できるようにする仕組みです。そして、カーボンクレジットを購入することで排出量の一部を相殺して穴埋めすることをカーボンオフセットといいます。
カーボンクレジットは、本当に温室効果ガスが削除されていることを保証するために、Real(実際に削減されていること)、Measurable(測定可能)、Permanent(永続性)、Additional(追加性)、Independently verified(第三者認証)、Unique(二重カウントされていないこと)といった要件が、ICROA(International Carbon Reduction & offset Alliance)によって定められています。しかし、実際のクレジットには、意図的に、あるいは市場の整合性や標準化の欠如のため、このような要件を満たせていないものもあります。
そこで、カーボンクレジットをトークン化し、ブロックチェーン上に移行することで、透明性、流動性、スケーラビリティを高め、これらの課題を解決することができると考えられています。
実際、様々なプロジェクトが活動をしており、既にカーボンクレジットをトークン化し、多くの温室効果ガスを取り除いた実績もあります。
ReFi プロジェクト紹介🤝
ReFiに取り組むプロジェクトは数多くあり、ここ最近かなり増えてきています。ニュースレターでは、毎週話題のプロジェクトについて紹介していきます。第1回目は、今月ちょうど1周年を迎えたKilmaDAOについて紹介します。
■プロジェクト名:KilmaDAO
■概要:KlimaDAOは、カーボンクレジットをトークン化、DeFiを利用することでカーボンクレジット市場の流動性や透明性を高めることを目指すプロジェクトです。KLIMA自体はガバナンストークンとして機能しますが、DAOトレジャリーに保有しているTCO2(Toucan carbon tokens)と紐づいており、TCO2の所有権にもなります。TCO2は「Toucan Protocol」によって、トークン化されており、簡単にまとめると下記のような仕組みになっています。トークン化するカーボンクレジット自体の認証情報はIPFS上に保存されており、オンチェーンデータではありません。
また、プラットフォーム上でカーボンクレジットを償却(Retire)することもでき、従来のカーボンクレジット市場よりも簡単に償却できます。従来の償却プロセスは第三者機関などを経たり、書類の手続きが必要となりますが、トークン化することで流動性を得ることができ、なおかつブロックチェーンによってトランザクション履歴が残るというメリットを享受できます。2022年10月現在、175k tCO2の償却の実績があります。
最近の取組みとしては、分散型取引所(DEX)であるSushiSwapと提携して、取引(Swap)ごとに0.02MATICをオフセットできる機能が登場しました。(現状はPolygonのみ対応)
KilmaDAOのブログに、この1年間の取り組み、そして今後の1年で注力することについての記事がありますので、ぜひ併せてご確認下さい。
ReFi ニュース📰
最近のReFiに関するニュースをお届けします。
■Regen Network が Regen マーケットプレイスをローンチ
気候変動の逆転、生態系の再生を目的に、様々なプロジェクトが削減した炭素をオンチェーンで発行・売買を可能にするRegen Networkが、マーケットプレースをローンチしました。これにより、誰でも簡単に、そして透明性を持ってオンチェーン炭素やその他の生態系資産の売買、償却することが可能となります。
Regen Marketplaceは、コミュニティが管理する全てのインフラにおいて、アクセス性、透明性、高品質のクレジット、低い取引手数料を提供し、現在のシステムの多くの欠点を解決するのに役立ちます。それだけでなく、Regen Marketplaceは、クレジット基準のガバナンスと発行のために、完全にオンチェーン・レジストリ・システムとシームレスに統合されています。これにより、再生可能な実践を行う土地管理者は、革新的なエコクレジットを迅速かつ安価に世界市場に投入し、気候変動の影響を拡大し、気候危機の緊急性を満たすための世界的な運動を分散化させることができます。
ちなみにRegen Networkは独自チェーンのRegen Ledger (Cosmos SDK) で構築されており、マーケットプレースにはKeplrで接続することができます。
■BayerがNori と提携して数十万件の炭素除去を市場に投入
世界最大の農業企業の 1 つであるBayerが、気候変動を逆転させるために炭素除去に取り組むNoriの供給パートナーシップとなったことが発表されました。
Noriは、再生型農業で大気中の二酸化炭素除去に取り組む農家と、カーボンオフセットを希望する企業や個人とを、ブロックチェーンの技術を利用してつなげるマーケットプレイスを運営するプロジェクトです。
BayerのForGroundプラットフォームと協力することで、来年、数十万件の検証済みの炭素除去オフセットが市場にもたらされるとのことです。
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メンバー紹介
■F太郎(Nori)
ReFiプロジェクトであるNori所属。ペンギン好き。
■ビニール(Fracton Ventures)
Web3 IncubatorであるFracton Ventures所属。レコード好き。
免責事項
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